建設業界

建設業界の談合はなぜなくならないのか? 元建設会社社員の証言からその理由を暴く

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新入社員の頃、談合は必要悪と言われました。結局のところ、必要なの?悪なの?
悪じゃわな~
へっ?!悪いことなの??

目次

談合は必要悪?

すっかり悪者のイメージが定着した『談合』。最近ではJR東海が発注したリニア新幹線が有名ですね。この談合報道の際になるとよく言われるのが『必要悪』をいう言葉。この必要悪という必要なのか悪なのかよくわからない言葉、下記のように定義されています。

「必要悪とは道徳的、法律的には悪いことであり社会的にマイナス効果があるが、それがなかった場合により大きなマイナスがある時に存在を肯定される悪のことである。」

要は悪なんですね。。。(汗;)

今回はこの必要悪 『談合』について書いてみたいと思います。

やっぱり悪なんですね。。。

談合は悪というのはわかったけど必要なの?

私が建設会社に入社したのは当時一連の大手ゼネコンの贈収賄事件の余韻がまだ残るバブル崩壊後の時期でした。

そんな中まことしやかに上司から言われていたのが「談合はなくしちゃいかん!」というマスコミや世間の声とは180度異なる見解でした。

理由は談合がなくなってしまったら過当競争で弱い会社が飯を食って生きていけなくなる、だから全員が生き残るために受注調整をしなくては業界の未来はない、というものでした。

当時、入社したての私は、談合はなくしちゃいかん、という上司の洗脳(?!)のもと、様々な受注調整業務にも加担していくことになりました。

時には他の建設会社の入札資料を1社で取りまとめて作成したり、CADの図面もフォーマットを変えるべくバージョンやフォントを変えて作成したり、営業からの情報をもとに入札間際に入札金額の微調整を行ったり。。。当時はコレも仕事と割り切ってそれなりにヤル気も見せながら仕事していたことを思い出します。

今、この談合は必要か?と言われたら『どっちでもいい』と回答します。

今はこの談合構造の恩恵(?!)を受けている建設業界で生きていない、というのも理由ですが、近年のマスコミの行き過ぎた悪者叩きにも飽きてきた、というのが理由です。

談合がどうのこうの言って一喜一憂するよりは、この状況を自分自身がどう捉えて自分の未来をどのように突き進んでいくのが大切、という点を重視するようになってきました。(であるからこそ、辞めたんだけどね。。。)

肯定する訳じゃないけどね。。。

談合しないとみんなが生きていけない業界構造

そもそもなんでなくなんないのか? 単純に考えれば小学生でもわかりそうな話なのに全然変わっていない状況がこの業界の難しさではないでしょうか? 超単純に考えれば下記の2点に集約されるでしょう。

そもそも仕事の数が少なすぎる

人口は減り続けています。税収も減り続けています。おまけにマスコミの目は年々厳しくなっており悪者を見つけてワイドショー化して世間の批判を増長する、という構図はこれからも変わらないでしょう。そんな中、景気対策を目的とした公共工事の増加は今後も期待できるものではありませんよね。実際、建設投資のピークは1992年の84兆円から半分近くまで落ち込んでいます。仕事が減ってきているのは明らか、そして強硬的に仕事を作ることも困難な状況ですね。

少ない仕事を大勢で分け与える、そうしないと弱小ゼネコンはあっという間に潰れてしまう。そうなるとその弱小ゼネコンにぶら下がっている中小建設建設会社も潰れてしまう。だから、談合は必要悪、という論理です。

わかったようなわからないような。。。?

そもそも業者の数が多すぎる

日本のあらゆる業種を俯瞰した場合、トップ企業というのは数社に絞られているというのが通常でしょう。自動車メーカー、ビールメーカー、家電メーカー、等々… どれもトップ企業は誰もが知る大企業ですね。一方、建設業はスーパーゼネコンと言われる5社を筆頭に中堅ゼネコンやら地方ゼネコン、専門工事業者、等々も合わせると60万社とも言われてきました。今でさえ50万社を割り込んでいるものの、業者の数が多く、そのパイ(仕事)を取り合っているというのが現状ですね。

数年前、ゼネコン破綻、合併が相次ぎました。この時、私はこの建設業界も再編が進み正常な方向にある意味淘汰されていくものと期待していました。ですが、ふたを空けてみればごらんの通り。。。少ない仕事をみんなで仲良く薄利でも分かち合う、というのがこの国における建設業の現状です。

いっそのこと、倒産、吸収合併、を加速させてしまえばもうちょっとまともな業界構造になるような気もしますが絶対に無理でしょうね。

談合撲滅反対!って人が建設会社に多いのも事実。。。

このまま建設会社と苦楽をともにする一生でいいですか?

あまりにも当たり前すぎますよね。

この状況は1992年に大きくゼネコン汚職事件が報じられた後も大なり小なり改善はあったものと思いますが基本的には何も変わっていない、というのが私の見解です。これからも大きく変わることはないでしょう。つまり、談合はなくならないし、建設会社1社だけが飛びぬけて良い業績を上げることもないでしょう。仮にあったとしても継続的に独り勝ち、という状況はないでしょう。間違いなく。。。

理由は、業者が多すぎるから、仕事が少なすぎるから、に尽きます。

あなたが会社とともに今後改善される見込みの薄い将来を担っていくのであればそれはそれで素晴らしいことと思います。頭が上がりません。

ただ会社は一社員を守ってくれない、というのも事実です。会社は存続しなくては意味がありませんのでイザというときには非常な決断をするのがその使命です。

手遅れになりませんように。。。

談合とかいってダークなイメージがつきまとうんじゃなくてクリーンなイメージな建設業界になって欲しいですね。現場にいる人はみんな一生懸命働いてますもん!

 

手遅れになりたくない方はコチラ

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