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なんでも知っているようで実は何も知らないサラリーマンという生き物
10年、20年と同じ会社、同じ組織で過ごしていると世間では常識といわれていることが全く通じない組織で働いていることに気がつかされることがあります。これまでこのような世間離れした組織の代名詞としては教員がよく挙げられていました。毎日、学校といわれる限られた世界の中で関わり合いを多く持つのが自分の学校の生徒、となると何となく理解できる気がします。
そうはいえども、建設会社にドップリ浸かりきったサラリーマンというのも、世間の常識から離れた危ない存在になりかねない、というのが私の意見です。良し悪しはあるにせよ、やはり積極的に他の業界にも目を向けた方が自身の見分のためにも良いと感じるようになりました。
建設業界にドップリと浸かりきった10年以上の歳月を経て、転職を機に浮き彫りになった建設業界の常識、非常識について述べたいと思います。
建設業界の常識、非常識
ちなみにお断りでいておきますが、下記の記載は私が建設会社に属していた10年前の話です。今は働き方改革やら世間の目もあるでしょうから多少変わってきているかと思います。(改善されていると信じています。)
飲み会の費用は会社負担
基本的に会社の飲み会の費用はタダでした。場合によっては2次会、3次会もタダ。また、飲み会のお金を捻出可能な営業管理職や現場の所長は支店や事務所の女性社員を連れてよく飲みに行ってました。こちらは営業のオジサンに緊急と依頼されて仕事してるのに、営業のオジサンは新入社員の女性社員を連れて料亭で食事なんてこともしばしば。そんなお金があるのなら社員に還元してくれよ(怒;)、と常々思っていましたが実現する前に私が会社を辞めてしまいました。
コンパニオンの費用は現場負担
飲み会よりも酷いのがコチラでした。現場の忘年会や完工と称して開かれた飲み会の席ではなんどが綺麗なおねえさんがお酌してくれることが多々ありました。お酌だけならまだしも、よくスポーツ新聞の後ろの方に記載があるようなハレンチな現状を目の当たりにしてショックを受けたことは言うまでもありません(ココでは詳しく記述できませんが。悪しからず…)。その光景そのものにショックを受けたというより、現場では原価管理を大切にしろと言っていた所長も先輩も揃って楽しまなきゃ損!という勢いで羽目を外していたことにショックを受けました。
このための原価管理なのか?社員に還元してくれよ(怒;)というのが正直な気持ちでした。
タクシーチケットという魔法の紙切れ
このタクシーチケットという魔法の紙切れには私も何度も助けられました。財布の中に常に数枚は忍ばせていました。営業のオジサンとか所長が飲み会の時に配ってくれたのを使わずに大事に取っておいて、残業や飲み過ぎて電車を逃したときに活用させてもらいました。夜中の首都高をタクシーで帰宅するのは何とも気持ちの良いものでしたが、いま考えてみると完全思考停止状態ですね (笑)。
タクシーチケットなんて使わずにきちんと帰宅できることの方が幸せなのに、残業しないできちんと帰宅するという選択肢が当時はありませんでした。
建設業界の常識に洗脳されていたんだと思います。
ゴルフの時は朝から日本酒、プレー代は下請け業者から
基本的にゴルフはやりませんが、それでも若い時に数回、現場の所長に無理矢理誘われて半ば強制的に何回かプレーしたことがあります。思ったのはゴルフはスポーツなんかじゃない!ということ…初めてのゴルフ場デビューの時、朝緊張した面持ちでゴルフ場に到着したらそこに待ち構えていたのは日本酒を片手にした赤ら顔の所長でした。お前も飲め!!って勧められてプレーどころじゃなくなったことを覚えています。日本酒、ビールと相当飲んでプレーもして、一銭も支払うことなく終わりました。
後で聞いたのですが一緒にプレーした下請け会社の社長が全て支払ってくれたそうです。
結婚すると転勤する、住居購入すると転勤する
コレもよく聞く話です。結婚すると独身のように自由が利かなくなる、住宅購入するとローンがあるので会社を簡単に辞められなくなる。このタイミングを見計らって会社は過酷な勤務状況の現場への転勤を打診するんだとか…
真偽のほどは定かではありませんが、どう考えても新婚、住宅購入者の割合が高い過酷な現場というのがありました。
有給休暇は病気のために貯蓄するという間違った認識
溜まった有給日数自慢する上司。ウザいです。かくいう私も建設会社に勤めている頃には有給休暇なんて殆ど取得したことはありませんでした。仮に取得する際には、先輩、所長に御伺いを立ててから、『休暇を頂くもの』という認識が強かったです。一方、今の会社では、『せっかく有給残ってんだったら使わなかったら損でしょ!』という空気が漂っています。
会社が変われば有給休暇に対する罪悪感も違うんだ、と感じた瞬間でした。(というか罪悪感感じる必要なんてイラナイんでしょうね。普通。)
天下りという第2の職場
これは自分の上司というよりお役所から天下ってきた元公務員の方々の存在。この人たちなぜが一日中窓際に座ってお茶を飲みながらゴルフの話をしていました。なんだが受注の際にはお役に立っているという話でしたが私には何がどうなってこの人に給料を与える意味があるのか一切理解できませんでしたね。
転職先に公務員という選択肢を真っ先に無くしたのもこうした経験があったからと思います。
何も知らずに一生過ごすのも自由、あなた次第です。
どうでしょう? どれも10年前の話なので今はなくなっている、もしくは改善されていると期待しています。上記を読んで『そんなの当たり前じゃないの? 他の業界だって一緒でしょ!!』という方は既に立派な建設会社のサラリーマンとなっていることでしょう。
私にはムリでした。
だから他の世界も見てみたかった。そして、他の世界はココ(建設業界)と違うと信じていた。だからこそ転職活動に踏み切ることができました。