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マスコミの報道が悪い?という建設業界の声
「残業が多くて賃金が安いブラックな業界」、「談合や癒着の温床」。建設業界になじみのない人の印象はこんな感じでしょうか?
建設業界関係者からはマスコミの姿勢を問題視する声が多く挙げられています。
確かにマスコミ、特にワイドショーや週刊誌などは低俗な大衆ウケする情報の垂れ流し、と感は否めませんがこうしたマスコミに対して、イメージアップ戦略が抜けていたことも建設業界の怠惰ともいえるのではないでしょうか?今はSNSなどで世間のイメージが一瞬に変わってしまう時代です。情報発信の在り方を探る努力が不足していた、と言われても仕方のないことかも知れません。

建設業界に対する自由意見より
日経コンストラクション2019年5月13日号より、建設業界に対する自由意見というものをまとめてみました。
建設業に関係のない一般の方の意見
- 建設業界からIT業界に転職したが、建設業界は他業界との相互理解が足りない。
- 見えないところで不正を働いているイメージが払しょくできない。
- 日々の生活で建設業との関わりを感じることはない。
- 若手が入社してもすぐに辞めてしまうというイメージ
- 外国人が多く危険なイメージ
- 人手不足の業界
- 家族は建設業界で働いてほしくない。
- 公共工事は不用
- 政治家と癒着している
なんともキビシイ意見ですね。でもこれが世間から見た建設業界なのでしょう。残念ですが…

建設業界関係者からの意見
- マスコミの報道の姿勢に問題がある。
- 一部の不祥事を取り上げて建設業界を代表するかのような報道をするのは止めてほしい。
- 不祥事の際に土木作業員、建設作業員という職種を報道するのを止めてほしい。
- 働き方改革なんて全く機能していない。
- 労働環境の水準が非常に低い。
- 業界に理念がなく将来性がない。
- 4週8休なんて夢のまた夢。
- 無駄な仕事が多い。
- 組織の風土にウンザリ。
- 受注産業であるが故、発注者の考えが変わらなければこの業界は変わらない。
- 風通しが悪い業界、企業風土。
わかります。働いている人たちは一生懸命に頑張っている。でもどうにもならないがんじがらめの状況でもがいている。
多く挙げられていたのはマスコミ不信に対する意見でした。これも同感の部分もありますがやはり建設業界からの情報発信のマズさというのも原因の一つに挙げられるのではないかと思いますね。

建設会社の知名度
親方日の丸、多くの税金が投じられて日本の成長とともに建設業界が脚光を浴びていたのは遥か昔の出来事。造船や鉄鋼業界と同じ道を進むのかと思いきや、統廃合は進まず多くの建設会社が少ない仕事を取り合う構図が何十年も続いています。造船、鉄鋼であれば日本を代表する会社は片手で数えられるほどの数。仕事が減っても何とか別の事業を立ち上げたり、これまでの事業を縮小したり、時には統廃合を繰り返しながら成長することができたのでしょう。
一方、建設業界はその関与する会社が多すぎる。従事している人が多すぎるが故に政府も思い切った対策が打てない、自分の票に関連する業界を縮小することはできない、といった色んなしがらみを抱えながら生きながらえているというのが現状ではないでしょうか?
大手の清水、大成は知っているけど、中堅どころの建設会社なんて一般の人からしたら全然わけわかんないですよね。

イメージアップ?!
そもそも公共工事主体の建設会社の知名度は必要なのか?という議論もありますが、やはり生活に直結していなくとも企業イメージというのはこれからの世の中、更に重要になると考えています。知名度が低ければ新卒採用にも影響があるでしょうし、そもそも最近では親が反対するなんてこともあるらしいですから…
まだ一部ではありますが、各社のイメージアップ戦略の一部を調べてみました。
一番下の熊谷組の動画は完全にイメージダウンですね。これ見て建設会社に行きたくないと思った学生も多いはず。この辺の戦略のズレというか勘違いがあるのもの業界が抱える大きな問題点であると断言します。
ただ、それ以外の清水、大成、奥村のイメージアップ戦略はウマいですね。



採用活動?社員教育?適材適所でフレキシビリティを持った働き方を…
新卒採用もこの業界の大事な一つのテーマでしょうけれども、これからの世の中は終身雇用は崩壊していくでしょうからもっと個人も企業も転職に対するハードルが下がっていくものと思われます。自社の社員を一から育てていくなんて手法は世界的に見たら完全に乗り遅れてますもんね。
ブラックな会社は淘汰され、働く人がやりがいのある職場で働くための選択肢を持つ、こんな建設業界になって欲しい、というか、ならなくちゃいけないんだと思います。
これまでの雇用体系はいずれなくなります。そうなったときに会社にしがみついたままで生き残れますか?
今の会社が終身雇用、年功序列であるならば既に時代に乗り遅れていると認識した方がよいでしょう。
真面目な日本人、もっとフレキシビリティを持った働き方を模索してもいいと思います。
