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資格さえあれば大丈夫という幻想
ホント、日本人は資格が好きですね。自己研鑽イコール資格取得、と勘違いしている人もいるのではないかと思うくらい、色んな所で資格取得の圧力を感じます。それだけ生の自分を見せることに慣れていない、自身がない、ということなのでしょうか? これだけ資格、肩書きに弱い人種というのも珍しいのではないでしょうか?
結論から言います。資格はあなたを助けてくれません。資格があればなんとかなる、という昭和時代の幻想は早めに捨て去ることをおススメします。
現場親方に土木施工技士の知識は必要か?
これだけ資格試験が増えた背景は、下記によるものでしょう。
- 業界団体による囲い込み
- 資格試験ビジネスが儲かるという業界の算段
- 建設業界に従事する人が多すぎる(他の業界と比較して…)
- 役所管轄のヒマ人の仕事を作ってやる必要がある
詳しく記述することはしませんが、どう考えても「この資格必要?何のため?」という資格を目にしたことがある人も多いことでしょう。
もう何十年も昔の話ですが、私が初めて1級土木施工管理技士を受験した時のことが忘れられません。
大学卒業して数年であったため、試験勉強はそれなりに準備して臨みました。
当然、合格しましたがその試験会場の雰囲気は今まで受けたことのないカルチャーショックを目の当たりにしたことを覚えています。
私が受験した時には1級だけじゃなく、2級土木施工管理技士の試験も行われていましたが受験会場はまるで「ココは場外馬券売り場か?」と間違えるくらいの雰囲気でした。
ラジオを片手に競馬新聞と睨めっこする現場親方(注:受験者です…笑) が多数いました。おまけにタバコの煙も酷かった…
そもそも、この現場親父に土木施工管理技士の資格は必要なのか?という疑問が生じたことを覚えています。
現場親方のオヤジに土木施工管理技士の知識が必要だとは思えません。少なくとも安全や法規に対する知識があれば十分でしょう。
このオヤジに試験を受験させる目的はズバリお金を巻き上げるためにしか思えませんでした。
受験費用、試験対策の講座受講料、テキスト費用、資格更新費用などのお金が業界団体に落ちる。→ 業界団体の収益につながる。という構図です。
チョット大袈裟に思えるかも知れませんが、そんな背景も必ずしもゼロではないでしょう。でなければこんなに(無駄な)資格が必要になるとは思えません。
建設業界で(比較的...)役に立つ資格、役に立たない資格
建設業界で働く際に役に立つ資格、役に立たない資格について紹介します。
(比較的)役に立つ資格
- 技術士
- 1級建築士
(比較的)役に立たない資格
技術士、1級建築士以外は別にどうでもいいです。給料だって変わりません。
- 土木施工管理技士 (引き続き建設業界に転職するなら必要… かも)
- コンクリート主任技士、コンクリート技士
- 測量士、測量士補
- コンクリート診断士
- 土木学会認定技術者
- VEリーダー
- その他、諸々…
もしも、あなたが建設業界で骨を埋める覚悟があるのでしたらもっと色んな資格が必要でしょう(工事を遂行するという意味において…自己研鑽とか給与アップとは別の次元です。念のため…)
チョット調べただけで上記以外にもいろんな資格が山のように見つかりました。
コンクリート構造診断士、土木鋼構造診断士、あと施工アンカー施工士、既成杭施工管理技士、基礎杭溶接管理技術者、基礎施工士、コンクリート圧送施工技能士、地すべり防止工事士、鉄筋施工管理士、舗装施工管理技術者、解体工事施工技士、機械土工主任工事士、グラウンドアンカー施工士、鉄骨工事管理責任者、鉄骨製作管理技術者、土木用コンクリートブロック技士、などなど…
あまりにも資格の種類が多すぎると思いませんか?
ちなみに、私は技術士試験に合格する前に転職サイトに登録しました。合格した後では求人の数が合格する前よりも格段に多くなったと実感しています。
技術士の資格は転職に必ずしも必要ではありませんが、転職する際に有利に働く、というのはあながち間違ってはいませんでしたね。
資格はあなたを守ってはくれない、ということに早く気が付くべき
建設業界に限らず、結局、資格なんて自己満足の世界であることに早く気が付いた方がいいでしょう。資格はあなたを守ってはくれません。絶対に…
もちろん、自身の自己研鑽のために資格取得を目標に勉強するのは素晴らしいことだと思います。でもそれだけです。過度な期待はしない方が身のためです。
そもそも資格で飯を食う時代はもはや古き良き時代の象徴と捉えるべきでしょう。
資格よりも重要なのはどこで何をしたいと思うか…
これからの世の中、医師や弁護士でも資格だけでは飯が食えなくなってくるだろうと言われている時代です。技術的にも知識の上でも取得しやすい建設関連の資格なんてクソの役にも立ちませんよ。
どんな資格を取得しているかよりもどこで何をするか?のほうがより重要な世の中になるんでしょうね。
業界団体の思惑に惑わされることなく、自分の進みたい道を見つけて活動する方が将来的には役に立つと感じています。くれぐれも資格があれば大丈夫!という幻想は捨て去った方が身のためです。
とはいえ転職の際に資格があったら有利になるという現実…
とはいえ現実問題として転職する際に履歴書の内容をみて一次選考することを考えると資格があったら有利になるというのは間違っていません。
わたしも技術士を取得しましたが、建設会社での仕事に活用したというよりは転職の時に有利に働いたので取得しておいてよかった、と思っています。
転職のために資格を取得するというのも本末転倒ですが、ないよりはあった方がいい、そんな風に考えるのがいいと思います。