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転職35歳限界説は本当か?
転職業界が活発になってきています。数十年前までは考えられなかった40代からの転職、高収入専門の転職サイトの登場、などによりあなたの周りにも転職していく人が多いのではないでしょうか?
私が転職を決意した10年以上前には35歳転職限界説、というものが定説となっていました。確かに今でも若い人の方が転職しやすいという状況には変わりはありませんが40代や50代でのの転職も珍しくなくなりました。転職市場が拡大したことと40代以上の転職対策が確立されてきたことも事実。
ここで、これからの転職市場の動向と変わりつつある企業の考え方について述べてみようと思います。きっとあなたも転職したくなります(笑)
年功序列システムの崩壊
戦後から高度成長期にかけて日本は目覚ましい発展を遂げてきました。人口は増えて社会インフラの充実が国家プロジェクトとして推進されていた時代ではどの業界でも右肩上がりの成長を遂げてきました。仕事は増える、人員は不足する、会社は成長する、業績は拡大し続ける。長く働いてきた人が主任、係長、課長、部長、役員、と昇進していく中で会社は一定の給与上昇カーブのもと社員を会社に引き留めつつ、一緒に成長できた時代です。転職して会社を去るということは、これまでの給与水準が担保することができなくなる、ということで世間的にはネガティブな印象を与えてきたのも事実。
バブル崩壊後、この年功序列システムが崩壊していきます。これまで同様、在籍年数に応じて給与を挙げていくことが会社を存続させるうえで足かせとなってきました。そこで会社の原資削減を目的として成果主義が導入されます。(会社は当然、そんな本音を言う訳がありませんが。。。)
多くの会社で本質的な成果主義が導入されたとは言い難いですが、それでも勤続年数に応じて給与が右肩上がりに上昇するのはもはや幻想ということが明らかになります。
終身雇用システムの崩壊
時を同じくしてバブル崩壊に行われた早期退職制度という名の人員削減。多くの会社で、特に50歳以上の社員やバブル期に大量入社した若手が憂き目に会ってきました。入社したら一生安泰、という考え方はもはや幻想となります。絶対に潰れないと言われ続けてきた銀行、証券などの金融関連会社、不景気には公共投資による経済対策を実施するので潰れないと言われてきた建設会社も破綻し続けたことも終身雇用システムの崩壊に拍車をかけました。
当時は建設会社は統廃合を繰り返して、スーパーゼネコンの数社のみが勝ち残るという噂もありました。しかし、従事する人口があまりにも多く、倒産するにはあまりにも代償が大き過ぎる、等々の理由もあり潰れかけた会社であっても会社更生法を適用した後、細々と生きながらえているという状況になってしまいました。
唯一のメリットを挙げるとすれば人材の流動化が始まったこと。早期退職制度を活用して(ちょっと多めの退職金をもらって)転職を模索する人が増えてきたことで転職市場が拡大してきたのも事実です。
新卒採用を育てていくというリスク
時を同じくして大手ゼネコンによる献金、汚職事件が発覚。建設業界に対する世間のイメージは悪くなるばかりでした。転勤、長時間労働、他産業と比較して休暇が取りにくいこと、給与水準が低いことも重なり、新卒入社の若手が入社3年せずに辞めていく、という悩みが多くの企業の間で問題となります。またバブル崩壊後に新卒入社の採用を控えたこともあり、会社内の人員構成はいびつな逆ピラミッド型、もしくは壺型などといわれる頭でっかちの組織となっていきます。
私が入社して時に所長に追われたのは、新入社員が入社して一人前になるまで10年かかるというものでした。寿司屋の見習いじゃあるまいし、今どきそんな教育方針を掲げている会社は少ないとは思いますがそれでも新入社員を育てていく、その新入社員が数年で辞めていく状況は会社にとってある種のリスクと認識されることとなっていきます。
転職はネガティブなイメージではなくなった
こうした状況を経て、転職市場が活況となっていきます。ネット社会の浸透も相まって、昔は人づてのスカウトという形で引き抜きが行われていたものが転職紹介を行うサービスが浸透してきます。20年前くらいであれば有名なところは『エン・ジャパン』が圧倒的な人気を誇っていました。その後、様々なサービスが登場、現在では多くの転職サービスが認知されています。特に最近では『ビズリーチ』などが有名ですね。あなたも電車の中やテレビCMで転職サービスを目にしたことはあることでしょう。
こうした広告などの影響もあり転職する人が増加、転職は一般的になっていきます。
会社への忠誠心って言葉は死語
日本旧来の古い経営者の中にはいまだに『会社への忠誠心があれば若者が辞めることはない』と豪語している人がいるから驚きです。既に忠誠心で若者を惹き付けておく時代でもないし会社にそんな魅力がないことも認識できていない経営者が多いのが現状です。若者はもっと物事を合理的に考えており、今の会社にずっとしがみついていこうと考えている人は少数派となりつつあります。
如何に面白い仕事を提供し続けることができるか?仕事は我慢するものではありません。旧来の考え方に固執した経営者のもとからは今後多くの離職者が輩出されることでしょう。
テレワーク、複数の会社で仕事、副業の時代へ
ゆとり世代や草食系などと揶揄される今どきの若者たちですが、経営者のオジサン目線で彼らを判断することは間違っています。彼らも自分の将来について何も考えていない訳はありません。むしろ時代の変化に敏感で隙あらば、というチャンスを虎視眈々と狙っているのが現状。
最近テレワークが多くの会社で導入されました。会社に出社しなくてもいいんじゃね?という雰囲気がこれからどんどん高まります。その後は、一つの会社に縛られなくともテレワークを活用して複数でプロジェクトに携わる若者が増えていくと考えています。また副業で収入を得る若者も今後どんどん増えていくことでしょう。
いずれにせよ一つの会社に20年も30年も働き続ける時代はそろそろ終わります。
心からワクワクする仕事をしていますか?
我慢して一つの会社にしがみつくんじゃなく色んな可能性にチャレンジすることができる時代が到来したことはある意味チャンスと捉えるべきと考えます。
取り残されるな!自分の人生は自分で切り開くのだ
冒頭でもお伝えした通り、35歳転職限界説はなくなったけれども40代や50代の転職は狭き門であることは変わりありません。必要な対策を練り時間をかけて転職のプロに任せればその成功の可能性は格段にアップすることでしょう。