目次
これまでの災害とは異なる世界同時混乱
近年では台風や地震、津波といった災害で国内の震災復興工事が増えたため、海外進出する建設会社も減っているという状況です。言葉は悪いが災害が起きれば仕事が増えてそれなりに潤ってきた建設業界。しかし、今回ばかりは少し勝手が違う状況になってきました。
中国武漢から始まった今回の新型コロナ騒動。いつ収束するのか見通しも立たず全世界で不安な日々が続いています。
テレワークとはいうけれど…
そんな中、政府は不要不急の外出を控えてテレワークを推奨する旨の要請を行いました。このテレワークで業務を遂行できる職種の人が全人口のどれくらいいるのか?特に建設業に取ってみたらテレワーク導入は一筋縄に行かないことは明らか。職種によってその対応が大きく分かれました。
デスクワークを中心としたホワイトカラー職
工事前の調査、設計などを受注する建設コンサルタント業界は大手を中心にテレワークの実施に躊躇ありませんでした。全社員を対象に原則出社禁止にする会社もあるほど。そもそも業務自体がデスクワーク、会議や報告書とりまとめなどの案件が多く、ウェブ会議や在宅勤務で対応可能という背景もあるのでしょう。
現場作業を中心としたブルカラー職
「建設工事は密閉空間ではないから大丈夫」という理由で多くの工事現場は中止することなく建設工事が進められています。特に3月は年度末の予算消化でそうでなくとも工事が集中する時期。工事を止めてしまえば職人たちが別の現場に流れてしまう、という背景もあるのでしょう。働く職人さんたちも日当で給料をもらっている人が多い。いつも世の中の流れから周回遅れの業界に政府の声が浸透するはずもありません。
今後、建設業界を取り巻く情勢は…?
いまだに収束しないコロナの猛威ですが、この状況が簡単にいい方向に戻るとは考えにくい。資金繰りが悪くなり、観光、航空業界をはじめ、一部を除いたすべての職種で深刻になってきます。今後は大企業の倒産も相次いで起きることになるでしょう。特に世の流れから周回遅れの建設業界にはボディブローのように影響が響いてくるという状況が容易に想像できます。
- 国の予算は新型コロナ対応に向けられる
- 公共事業を拡大する方向に舵を切ることはない
- 民間企業の倒産が始まる
- 設備投資を控えるため建設需要が停滞する
- 中国で生産する製品調達が滞る
各社の新型コロナウイルス対策
各社、新型コロナウイルス対応を掲げています。主な内容はどこも同じで下記の通り。
- 不要不急の出社を控える
- 37.5度以上の熱がある場合の出社、現場入場禁止
- 手洗いの徹底
- 時差出勤、在宅勤務の実施
- などなど
ところで。。。
不要不急の出社を控える、ということは今までは不要不急の出社をしてきたということなのか?
37.5度以上の熱がある場合の出社、現場入場禁止、ということは今まではそれを認めてきたということなのか?
とツッコミを入れたくなるような対策とも言えないような当たり前の対応策が挙げられていました。
今後、働き方改革はこう進む
今まで日本のサラリーマンの業務は会社に出勤して行うのが当たり前でした。だから無理して満員電車に乗って通勤するし、会社から2時間かかっても出社してきました。
今回の新型コロナ騒動で日本のサラリーマンの働き方改革は下記の通りに進むと予想しています。(建設業界は周回遅れ。。。)
- テレワークが進む
- 日単位での出勤でなく時間単位での出勤管理が進む
- 不要不急の業務のために出勤することがなくなる
- 会社への忠誠心なんて言葉はなくなる
更に進むと、更に合理化が進んで、
- 一つの会社に出勤して業務を行うことが標準でなくなる
- つまりテレワークで掛け持ちすることが可能となる
- 一つの会社に縛られる必要がなくなる
なんて世の中になると想像しています。
皆さんの会社の経営トップはどうでしょう?
こうなると困るのは会社の経営トップ。今までと異なるやり方を実施するのは誰もが躊躇するもの。しかし、硬直化してしまった組織を根本的に変えておくにはこうした抜本的な何か大きな変化がないとダメなんです。今回の新型コロナ騒動を無理矢理にでも前向きに捉え、今後の日本人のサラリーマンの働き方が変わっていけばいいですね。
こうした混乱の時こそ、会社トップの本質が垣間見れるような気がします。皆さんの会社のトップは社員にどんなメッセージを発信していますか?
会社を守りたいのか、社員である皆さんと皆さんの家族を守りたいのか、よ~く観察する良い機会です。